抑肝散:認知症の漢方薬

認知症の周辺症状の対策として、抗精神病薬・抗うつ薬・抗不安薬等が病院でよく処方されますが、身体活動を鈍らせる副作用があることも知られています。
これに対して、漢方薬は身体活動を鈍らせることなく周辺症状を抑えていくということが期待されています。また、副作用が少ないということも長期間服用することができる薬として注目を浴びています。


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向精神薬による治療が困難な例に処方される薬として抑肝散があります。
神経の興奮状態をしずめ、イライラや不安を改善し安定した状態へ改善します。

抑肝散
生薬構成 朮、茯苓、川、当帰、柴胡、甘草、釣藤鈎
効能又は効果:虚弱な体質で神経がたかぶるものの次の諸症:神経症、不眠症、小児夜泣き、小児疳症(054 ツムラ抑肝散 より)

以下抑肝散使用例
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水上 勝義 筑波大学臨床医学系精神医学助教授
2005年9月25日 (火)第1848号別刷より
http://www.tsumura.co.jp/password/m_square/today/kkn/050925.htm

■抑うつ状態と攻撃性・興奮状態が併存した例
症例1は82歳の男性で、78歳から認知症が出現。82歳から易怒的、易刺激的な言動が目立つようになり、また物盗られ妄想のためにしばしば興奮するようになった。初診時の体格は中等度で、左側に軽度の胸脇苦満を認め、腹力は3/5であった。頭部MRI(図1)で大脳皮質に全般性萎縮を認め、アルツハイマー型認知症と診断した。

塩酸ドネペジルを開始したが、物忘れが激しくなったことから抑うつ的となり、興奮状態も強まったためにリスペリドンに変更したが、抑うつ症状はさらに悪化して食欲も低下した。また、家族に対してはしばしば怒鳴るようになり、抑うつ気分、不安、焦燥、攻撃的言動、興奮が顕著になったことからリスペリドンを中止して、抑肝散 5 g/日に変更した。抑肝散を開始してから1週間後には不安や易怒性は改善し、食欲も徐々に回復した。1カ月後には抑うつ状態、興奮、攻撃性も消失して、以後は安定した状態を維持している。
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抑肝散は体を暖め且つ乾燥させるので、脱水気味の方には副作用が出やすいと思われます。
乾燥の兆候として目が血走る、口が渇く、めまいがする等は副作用と考えていいでしょう。
またかゆみなや大便のつまり等も報告されており、抑肝散を少なくする、または辞めてみることも必要です。煩燥感が出る方は中止した方が良いそうです。

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